前回の改訂版
■「洋上ガソリンスタンドなんて、なんで日本がやるんだ」と思っている方へ
洋上で停止している艦船は咄嗟の回避ができないので危険です。
洋上給油では両方の船が等速度等間隔で移動しながら給油する方法が一般的です。
一般の海軍はこの給油を14〜16ノットでおこないますが、
インド洋で活躍する日米を含む一部の海軍は20ノットでの給油が可能です。
高速であればあるほど危険への対処が迅速にできるので安全性が増します。
この任務を高速でこなせる補給艦のことを「高速戦闘支援艦(AOE)」といいます。
(※参照 http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2006/2006/html/i51c4000.html )
洋上給油ができる艦船(以下、補給艦という)を持つ国は珍しくないですが、
高速で洋上給油が運用可能な組織と艦に限定して選ぶと、以下の4国しかありません。
・アメリカ 7隻 (サプライ級×4、ヘンリー・J・カイザー級改×3)
・スペイン 1隻 (他国と共同で追加建造中)
・英 国 2隻+α (フォート・ビクトリア級×2、ウェーブナイト級×3 ただしウェーブナイト級は速力と補給システムに難あり)
・日 本 5隻 (とわだ級×3,ましゅう級×2)
アメリカが一番多くの補給艦を持っているのですが、補給基地−補給艦−艦船が全て高質油に対応しているために、補給艦に濾過装置が付いていません。
日本の補給艦には濾過装置が付いているので、低質油しか供給できない港でも補給艦を満たす事ができます。
ペルシャ湾は「戦闘海域」なので日本の海上自衛隊はこの海域では活動できません。
しかし日本の民間タンカーはこの海域へ入っていき、原油を積んで日本へ運んできています。
この日本のタンカーは、日本を除いた多国籍の海軍に守られています。
2004年に日本郵船の「高鈴」というタンカーが高速ボートによる自爆テロを仕掛けられました。
この時、戦死者を出しながらも「高鈴」を守ってくれたのも多国籍海軍です。
日本が国内法の規制のために自分では守れない民間タンカー、それを戦死者を出しながらも守ってくれる多国籍の海軍。
国内法の規制が許す限りの範囲でお返しをするのは当然の事でしょう。それがインド洋上での給油活動です。